おまちかね解説篇です
東海中2022年度 1(2)
1 次の□に当てはまる数を求めなさい。
(2) 2022に、ある整数をかけると、6けたの整数□□□674となる。
これは今年の東海中学の入試問題。東海は、東海圏では人気・難易度ともにNo.1の私立男子校です。ちなみに私は48年前に東海高校を受験して補欠合格でした。
この問題のように、計算式の途中に▢が散りばめられた問題を「虫食い算」といいます。せっかくだからかけ算の虫食い算を解く鍵は「範囲」と「一の位」と覚えておきましょう。
解法その1~虫食い算として地道に解く
「範囲」とは、この問題でいえば「2022×Aの答えが6けたになるようなAの最大・最小値」のことで、厳密に計算すると100674÷2022=49.7・・ 999674÷2022=494.3・・より、Aは50以上494以下の整数とわかります。50~494では範囲が広すぎるので、残念ながらここでは役に立たない手法ですが、問題によってはこの一撃で瞬殺できることもあります。
では次に「一の位」に注目していきましょう・・・といいたいところですが、WordPress歴1週間の私には筆算式をちゃんと表示する術がないので、短い解説動画を作りました。
いかがでしょうか。めちゃくちゃ面白いというほどではありませんが、「なるほど~」くらいには思って頂けたでしょうか?
解法その2~素因数分解を使って解く
しかしこの問題には、まったく違う解法も存在するのです。中学受験の算数では、毎年多くの学校が「年号問題」を出題します。たとえば計算問題の答えの分母が2022になるとか、規則性の問題で「2022番目の数を求めなさい」とか。とりわけ出題頻度が高いのは2022の約数を求めさせる問題。だから私たちは毎年、西暦年号を素因数分解して解く問題を「予想問題」として練習させます。
ちなみに今年の西暦年号は2022=2×3×337と素因数分解できます。
ここで

674の下3けたが「674=2×337」であることに気づくと、
2022×A = 

674
2×3×337×A = 

×1000+2×337
赤字の部分も青字の部分も337の倍数なので、

も337の倍数です。
つまり答えは337674です(674674は「範囲」から外れています)。
ローテクとハイテク
解法その1のように、地道に算数的に解く手法を「ローテク」、解法その2のように、数学的に解く手法を「ハイテク」と呼ぶことがあります。学校によってローテク寄りやハイテク寄りの問題を好んで出題する傾向もありますが、まずはそれぞれの面白さを味わってみてください。